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国立大学O大学 研究センター教授 様より

 この度はリーガチェックありがとうございます。 大変参考になるコメントでした。 ありがとうございます。

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契約の成立要件

契約の成立に必要な要件をここでまとめてみます。

英米法のもとでは、契約の成立には主に次の4つの基本条件を備えている必要があります。

以下、契約の成立の要件を4つに分類し、解説していきます。

■当事者問の合意(agreement)

契約の成立には、当事者の合意が必要です。

「申込み (Offer)」と「承諾 (acceptance)」が存在すれば、契約書が作成されていなくても契約は成立します。

  • 英文契約書で書面作成が必要な場合とU.C.C§2-201詐欺防止法との関係につきましてはこちらをどうぞ
  • 例えば、ある物の売買契約であれば、企業側の「その物を売る (Offer)」という意思表示と、「その物を買う (acceptance)」という顧客側の意思表示があれば売買契約は成立します。

    ◆約因(consideration)

    日本の民法に基づく契約にはこの約因は求められませんが、海外との取引での英文契約書の成立にはこの約因が必要となります。

    約因とは、対価関係を意味し、お互いに金銭的価値のある債務を負うことをその内容としています。

    この約因が存在しない英文契約書は、成立に問題があると判断されます。

    ですので、約因が無ければ法的に保護されない契約となる可能性があり、英文契約書を作成しても裁判所でその効力が認められない可能性もあります。

    では、秘密保持契約等で一方当事者のみが秘密保持義務を負う契約等の場合にはどのように約因を定めるかにつきましては、下記のページでご説明させていただきます。

  • 約因の詳しい説明につきましてはこちらをどうぞ
  • ◆行為能力 (legal capacity)

    「行為能力」とは、単独で有効な法律行為を行うことができる能力を言います。

    行為能力が無い例としまして、例えば、幼稚園児が高級車の販売店で「この車を買う」と言っても、本当にお金を払ってもらえるか少し心配ですよね。

    やはりそのお子さん単独ではその意思表示を有効とするのは心配ですので、親御さんに確認したり、親御さんの了解を得るべきということが行為能力が無いということです。

    行為能力がないとされるのは、以下の場合です。

    ・未成年者

    ・無能力者

    ・酩酊者

    ◆適法性 (legality)

    当事者間で合意していても、違法な内容や公益に反する内容を含む場合には、契約は無効となります。

    例えば、違法ドラッグの売買契約は刑法上でも民法上(公序良俗違反)でも違法となりますので、契約として裁判上保護されず、代金の請求や物の引渡の強制等はできません。

    契約書の構成要件

    契約の成立要件ではございませんが、以下、契約書の構成要件を見ていきましょう。

    ◆契約書の構成要件は、次のとおりになっています。

    ①表題

    ②当事者の表示

    ③債権債務の内容

    ④作成年月日

    ⑤当事者の署名捺印または記名捺印

    ⑥一般条項

    ⑦目的物の表示

    構成要件を記載する理由

    契約とはお互いに一定の拘束を受けることを基本にしますので、そこには当事者の自由意思が絶対的に求められます。

    これが契約自由の原則と言われるものです。

    契約自由の原則から、契約書式の自由も生じます。

    ですので、原則的に契約書の内容は当事者に分かる内容であればどのように定めても構いません。

    ところが、一旦紛争になれば、契約書は裁判上の書証となりますので、裁判官に契約があったと確信を持たせる内容である必要があります。

    そのときに、契約書が最低限の構成要件を満たしていなければ、裁判官も契約の存在を認められません。

    各構成要素の存在から、裁判官は契約の存在の心証を形成していくからです。

    従って、紛争を事前に防ぐために、契約書の内容面を充実させ、紛争が起きた場合に備えて、しっかりと契約書の形式面についても整えておく必要があると言えます。

    契約書の構成要件の注意点・説明

    ◆タイトル

    タイトルには、契約書の内容を拘束する効力はありません。

    ですので、契約書のタイトルはどのようなものを付けても構わないことになりそうです。

    しかし、契約書の内容に即したタイトルをつけることにより、裁判官も契約書の内容を把握しやすくなるので、分かりやすいタイトルを付けるべきと言えます。

    ◆印紙

    印紙税法に規定されている特定の契約書には、印紙を貼付する必要があります。

    大まかに分類すると、物の譲渡がある契約については、印紙を貼ることが求められることが多いと言えます。

    ただし、法律行為の有効無効と、印紙の有無は、直接の関係はありません。

    また、契約成立地が日本以外であれば日本の印紙法が適用されませんので、印紙を貼付する必要もなくなる場合もあります。

    ◆当事者の表示

    当事者の表示が無ければ、裁判官も誰と誰の契約かが判別できませんので、当然に必要となります。

    ◆前文

    前文は書かなくても良いのですが、契約の目的を表示しておくことで、契約書の条項についての争いが生じたときに、その解釈の拠り所となることが出来ますので、記載しておく方がより安心と言えます。

    ◆作成年月日

    作成された日が記載されることで、各条項の期間を割り出すことが出来る等、絶対的に必要となります。

    ◆当事者の署名押印

    当事者の表示に加え、署名押印があることにより、裁判所において、当事者の真意による契約であることが認定されます。

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