英文契約書の特徴は、英文契約書が国際取引・海外取引で重要とされる理由から導かれます。
それは、国際取引・海外取引における英文契約書は、相手方への「信頼が無い」状況で締結されるということです。
そのため、英文契約書は長く、お互いに利益があるように対価関係が必要になり、口約束等の不明確なものを排除し契約書に書かれている内容のみが当事者を拘束することになるのです。
英文契約書は、英米法の影響から次のような特徴があります。
日本国内での契約であれば、国内法、主に民法や商法、又は、その取引に関係する法律が適用されます。
ですので、契約書に書き漏れがあったとしても、法律により当事者にとって公平な一定の紛争解決基準が示されます。
ですが、判例法を基礎とする英米法では、制定法による紛争解決基準の補充がすくないため、あらかじめその取引で想定される紛争についての解決基準を定めておく必要があります。
これが、一般条項 「General Provisions」という契約条項の解釈や運用に関するものを言います。
これら一般条項に加え、取引の条件等も全て記載されます。
英文契約書では、この約因という概念は、契約という関係そのものを現すと言っても過言ではありません。
契約とは、古代ローマ時代から、対価関係を有する債務を両当事者が負担するもの、という理解があります。
簡単に言えば、対価関係が必要ということです。
約因(Consideration)とは、英語のConsiderationが表すように、当事者が熟考したうえに、結ぶものです。
ですので、そこには熟考に値する、対価関係が必要となるのです。
英文契約書を作成する当事者は、お互いに信頼が少ない状況が多いのが通常です。
それは、外国の商人同士であり、法律も商習慣も宗教も生活スタイルも違う者同士ですので、当然と言えば当然です。
ですので、英文契約書に記載されたことのみが当事者を拘束すると言うふうにしておかなければ、どのような法律や商習慣が適用されるか分かりません。
また、「口頭証拠排除原則 (Parol Evidence Rule) 」という英米法の法律原則に基づく場合もあります。