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国立大学O大学 研究センター教授 様より
この度はリーガチェックありがとうございます。 大変参考になるコメントでした。 ありがとうございます。
契約書と当事者について
◆英文契約書に続き、日本語契約書の基礎知識についてご説明したいと思います。
契約書には、当事者、として、自分と取引の相手側とが表示されます。
自然人同士の契約であれば、当事者として表示する者に迷うことは少ないでしょう。
ですが、それが、会社形態や財団、社団等の法人、組合、宗教法人、権利能力なき社団であれば、適切に表示しなければ、後々の紛争を生じる原因になりかねません。
以下、契約書と当事者について、見ていきましょう。
契約者が会社の場合
国内でも海外での取引でも、会社同士の取引が多いと思われます。 そもそも、会社は経済活動として、取引を行うための存在と言えるからです。
そして会社の種類としましては、株式会社、合名会社、合資会 社、合同会社があります(会社法二条一号)。
会同会社という会社は、組合に類似しますが、社員は有限責任の会社 です。
これらの会社が契約書を作成するときは、それぞれ株式会社、 合資会社、合同会社等の文字を使用せねば なりません(会社法六条一項二項)。
契約者が会社以外の法人の場合
上記の会社のほかに、法人としては、 社団法人、財団法人があります。
社団法人とは、人の集まりを言い、財団法人はお金の集まりを言います。
これら二つの法人はどちらも株主等への配当が無い、非営利法人です。
これらの法人と取引を行うときは、代表権を持つ者の署名等が必要です。
そして、社団法人、財団法人の代表権は理事が持っています。
そこで、理事の署名等が契約締結には必要となります。
契約者がその他の法人の場合
その他の法人としましては、中小企業協同組合(中小企業等協同組 合法)農業協同組合(農業協同組合法) 消費生活協同組合(消費生活協同組合法) などがあります。
上記の組合にはそれぞれ理事がその機関として必要になります。
そして、農業協同組合と消費生活協同組合では、理事が代表権を持ちますので、理事と契約を締結する必要があります。
これに対して中小企業等協同組合では、 代表理事をおくことになっており、代表理 事が組合を代表することになっています (中小企業等協同組合法四二条、会社法三 四九条、三五四条)。
したがって、代表理事と契約しなければ なりません。
宗教法人の場合は、三人以上の責任役員 をおくことになっています。
このうちの一 人が代表役員になりますから、契約は代表 役員と締結しなければなりません(宗教法 人法一八条一項、二項)。
契約者が法人以外の団体の場合
契約者が法人以外という場合、通常は、一般の人、いわゆる自然人が挙げられます。
ここで、注意ですが、法人以外には、もう一種類あるということです。
それは、「権利能力なき社団」という存在です。
権利能力とは、専門的に言えば、権利義務の帰属主体足り得る地位、を言います。
権利能力があるとは、簡単に言えば、法的に不動産や債権をその団体が所有することができるということです。
ですので、「権利能力なき社団」は不動産や債権を持つことが出来ません。
そこで、「権利能力なき社団」と契約する場合には、代表者も一緒に契約することが安心です。
文責 行政書士事務所 Golden Willer 国際経営・法務事務所
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