英文契約書の英語「thereof」「thereat」をわかりやすく解説します

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英文契約書での「there」の使い方

hereとの対比

"thereof,thereat"という語句も、hereと同様、理解にコツが必要な語句です。

hereの項で説明しましたように、hereinの場合には直前の語句を指して、その後に、in this agreementを補うことによって、意味が理解できます。

"there"についても、考え方の枠組みは同じです。

ただ、少し違うのは、"there"は、その条項内で完結する点です。

"there"が指すのは、直前かどうかは分かりませんが、その条項の中で説明されている語句を指します。

"therein"でしたらその後に、in this articleを補うことによって、意味が理解できます。

ですので、同じ条項内で一度説明された語句を使いまわす時に、短縮形として"there"を使用します。

英文契約書でのhere~の使い方についてはこちらをご参考下さい。

thereofの英語◆文例1

"A notice given by airmail is presumed to have been delivered to the recipient party seven (7) days from the dispatch thereof

日本語訳

航空便による通知は、発送日から7日目に相手方に到着したものと推定される

文例の解説

この"there"は、"A notice given by airmail"を指します。

ですので、「A notice given by airmail of this article」となります。

thereofの英語◆文例2

"If the Buyer fails to perform any other agreement with the Seller or any provisions thereof,the Seller may forthwith terminate this Agreement

日本語訳

買主が売り主とのその他の契約またはその条項に定める義務を履行しない場合は、売り主は本契約をただちに解際することができる

文例の解説

この"there"は、"any other agreement with the Seller"を指し、本契約書以外の契約を指示しています。

thereatの英語

"The Seller shall deliver the Product at the place designated by the Buyer. Title to the Product shall pass thereat

日本語訳

売り主は、買い主が指定した場所において本製品を引き渡す。本製品の所有権はその場所において売主,から買主へ移転する

文例の解説

この"there"は、"at the place designated by the Buyer"を指しています。

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