契約を締結し契約書を作成しても、相手方が履行してくれなければ、裁判等で強制が必要です。
ですが、裁判には、時間と費用が掛かり、当事者の心労も相当なものになります。
そのような場合に、有効な手段として契約書の仲裁の条項があります。
この契約書の仲裁の条項を利用することで、上記のような場合に、裁判を回避し、費用と時間をかけずに、紛争解決をすることが出来ます。
そこで、契約書と仲裁の条項についての注意点を解説しています。
仲裁とは、裁判によらず、当事者が定めた仲裁人に紛争処理を委ねることを言います。
英文契約書では、裁判管轄や仲裁条項は必ずと言ってよいほど、契約書に記載されます。
仲裁は裁判と違い、弁護士費用や裁判費用等のコストが少なく、また、紛争解決までの時間が裁判に比べて短いという特徴があります。
また、仲裁の判断を最終のものとすることが出来、その判断に基づいて、相手方の財産に対して強制執行が可能となります。
日本国内にも仲裁の専門機関があります。
仲裁人が、合法的に選ばれ(仲裁法一七条)、手続きが合理的に進められれば(同法五章各条)仲裁判断は、当事者間においては確定判決と同一の効力をもちます (同法四五条)。
したがって、非常に強力な履行確保の方法になります。
さらに、強制的に相手方に履行させ得るような趣旨の仲裁判断(たとえば、OOは金OO円を支払え、とか、OOは後記土地を明け渡せ、など)が盛りこまれていれば、裁判所に申し立てて、執行決定(強制執行を許す、という裁判所の判 断)をもらうことができます。
そして執行官に委任して動産の差押えや、明渡しなどの執行もできます(同法四六条)。