ある者と取引をしようとする場合、簡単な売買契約であれば、契約書を作成しないか又は、契約書を作成してもごく少ない枚数で済んでしまいます。
ですが、取引関係の複雑な契約を締結する場合には、契約書の枚数も何十枚になることもあり、契約締結までの契約交渉も何か月に及ぶことも珍しくありません。
そのようなときに、契約交渉の進展に合わせて、合意事項を確認していかなければ、後日にせっかく合意したことを当事者の故意か本当に忘れたかはわかりませんが、一から交渉しなおすということにもなりかねません。
ですので、そのようなことを防止するためにも、契約交渉で合意した事項については、その都度、文書に記録しておく必要があります。
また、契約上の債務を一方当事者のみが負う場合には、契約書という形式の文書を作成せず、念書や、覚書という形式で、一方当事者のみが相手方に差し入れる形式が採られることがあります。
これにより、契約関係という、厳格な方式によらず、債務の履行を約束することが出来ます。
覚書の効力につきましては、その記載内容が具体的で契約書の内容と変わらないほど具体的な場合には法的拘束力を持つ場合がありますので、注意が必要です。