取引をするときに、契約書ではなく、覚書や念書、協定書や誓約書等を作成して契約書代わりにした人もいるかと思います。
契約書とは名称が違うので、効力はどのようになっているのでしょう。
感覚的には、契約書よりも拘束力が低いような印象を持たれるのではないでしょうか。
以下、契約書と協定書について、見ていきましょう。
契約書を作成する際、単発的な取引であれば、その契約書のみの作成で良いのですが、継続的な取引が予定されている場合には、契約内容の変更が必要になることがあります。 その場合に、いちいち契約書を最初から作るのは大変ですので、最初から取引基本契約書等の、取引の大枠を定めた契約書を作成し、あとの事情の変更等は、個別契約書で対応していくということが現実的です。 そういう場合に利用されるのが、協定書です。
たとえば、基本契約書のなかに書き入れる事項としては、
「第口口条 この契約により、甲から乙に対して売り渡される物品の品名、数量、単価、引渡条件、代金支払方法、その他売買につき必要な条件は、この契約に定めるものを除き、個別的売買の都度、甲乙別途これを協議して定めるものとする」
としておいて、個別具体的な事情は、協定書に適宜規定していくというものです。
取引基本契約書には、取引の履行に関する大枠を定めておいて、協定書には、金額、取引量、時期等の具体的な条項を定めると、商品の価額変動があった場合や、生産量の変動にも、協定書の変更だけで対応できますので、簡単です。
これを、契約書にすべて最初から規定してしまうと、訂正で対応するのには限界があります。
ちなみに、最近では、協定書の表題ではなく、取引個別契約書とする場合もあります。
要は、協定書は個別契約書の別名と言えます。