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国立大学O大学 研究センター教授 様より
この度はリーガチェックありがとうございます。 大変参考になるコメントでした。 ありがとうございます。
英文契約書の重要性
英文契約書は海外との売買や、販売店契約、合弁事業契約、M&A、知的財産権のライセンス契約、OEM契約、と様々な契約上で作成されます。
昨今では、TPPやFTA等の関税撤廃を基礎とする条約が締結されておりますので、我が国においても、今後より一層、海外との取引が増加し、それとともに英文契約書の重要性も増加するものと思います。
(さらに詳しくは、英文契約作成の目的をお読みください)
国内での契約書の理解
ところが、英文契約書、ひいては、契約書が重要であると認識していても、日本の企業は契約書においては受け身であることが多いのではないでしょうか?
それは、国内の契約では、相手方との一種の暗黙の了解ともいうべき、商習慣の共通性が基礎にあることから、紛争が生じ得る状況でも話し合いで解決できるので、契約書に頼る必要性が少ないという事情があります。
ですが、国内では相手方においても同じような思考の下に紛争を処理しようとしますが(現在では国内でも権利保護の観点から裁判件数は増加しておりますが)、外国企業との取引では国内と同じようにはいきません。
海外企業とは、前提とする法律や商習慣、宗教的基礎、生活習慣や、価値観が我が国とは大きく違うことを認識すべきです。
(さらに詳しくは、国内での日本語契約書との違いをお読みください)
海外での契約書の重要性
国際取引・海外取引で契約書が重要視されるのは、互いにその違いがあることを認めたうえで、契約による拘束を絶対的なものとするために、契約書を作成するためです。
ですので、お互いが違う価値観の下にあり、理解できない部分を抱えつつも、契約書に書かれたことのみを絶対的なものとすることにより、安心して取引ができることになります。
この考えは、ある宗教における神との契約や、ルソー等が国家権力を拘束するために考えた、社会契約という概念を契約書という形にまとめた立憲主義にもみることができます。
また、実際に国際取引・海外取引で紛争になると、契約書に書かれていることのみが、裁判上の証拠となり、書かれていないことは、どのように裁判所に判断されるかを予測することは国内と違い、不可能といえるでしょう。
実際的には、懲罰的損害賠償等で莫大な金額が請求される事案も珍しくありません。
リスクマネジメントとしての英文契約書の重要性
上記の場合でも、契約書上に損害賠償額についての規定を置いておけば、それを基に裁判所は判断しますので、あらかじめリスクマネジメントが可能となります。
また、国際取引・海外取引では自社に少しでも有利な契約内容を相手方に提示するために、契約書をお互いに提示しあうのが通常です。
これらは、書式上の争い(Battle of Forms)と呼ばれます。
(さらに詳しくは、契約書式での争いをお読みください)
このように、相手方から提示される契約書は基本的に相手方の有利な内容になっておりますので、当然にこちら側において認められる権利が認められない、相手方の権利が強すぎる等の不公平な内容となっています。
特に、日本の企業は契約書の重要性についての認識が海外の企業に比べて希薄ですので、相手方から提示された契約書をよく検討せず、そのまま契約を締結してしまい、後々、不具合が露呈し、紛争に巻き込まれるということが多々あります。
以上から、海外との取引は国内とは全く違うものという理解を持ち、自社で契約書を作成し、自社が不利な条件で契約することのないように防御し、未然に紛争を防止することが、海外企業との取引におけるリスクマネジメントとして不可欠なものといえるでしょう。