日本企業が海外に進出するには、色々な方法があります。
現地法人を作る、営業所を作る、又は、合弁会社を設立する、直接販売する、等の方法がある中で、販売店契約と代理店契約もそのうちの一つの方法としてあります。
販売店契約と代理店契約は、自社の商品の優位性と、販売店、代理店側の販売網を利用しあうことによる相互補完の関係にあります。
まず、販売店契約とは、ある商品の販売を現地に販売網を持つ者に、専属的あるいは非専属的に販売権を与える契約を言います。
これにより、販売店側は、自己の計算によりその販売をし、委託者側は、最少購買義務により安定した販売利益を得ることが出来ます。
一方、代理店契約でも基本的には、販売店契約と同じ構造をとります。
ですが、代理店契約では、委託者側の計算によりなされ、代理店側はあくまで委託者の代理人として行動します。
そして、委託者は代理店に販売量に応じて、手数料を支払う形になります。
いづれも、委託者側からすれば、自らは海外に販売網を築くことなく、自己の商品を販売できるので、本格的に海外進出する前の、テストとしても利用することが出来ます。
ここで、販売店契約と代理店契約における注意点としましては、代理店契約には国によっては、大きなリスクを伴うことがあるということです。
中南米の国等、自国の代理店を高度に保護する国では、契約解除のときに、代理店側への損害賠償が高額になる可能性があるからです。
代理店契約を締結する際は、この代理店保護法の存在を確認し、もし、存在するならば、販売店契約にするようにする方が良いと思われます。
ですが、実際は、販売店契約を締結したつもりでも、その表題とは関係なく代理店契約に当たると判断される恐れがあるので、販売店契約の英文契約書を作成する場合は、一層の注意が必要となります。
下記の条項は、代理店でなく、販売店契約である旨を確認するものです。
2.3 The relationship created hereby between PAPC and DISTRIBUTOR shall be that of seller and buyer.
DISTRIBUTOR is in no way,to any extent, an agent or legal representative of PAPC for any purpose whatsoever and PAPC does not invest or entrust DISTRIBUTOR with any kind of authority or right of agency, actual or ostensible,to any extent,to act in the name of or on behalf of PAPC.