「合弁事業契約」とは、2つ以上の複数の企業が共同して事業を行う際に交わす契約を言います。
合弁事業契約は、起業の海外進出のために利用される一つの手段になります。
合弁事業契約による、海外進出のメリットは、契約の相手方と、自社が持つ強みを相互補完する形で合わせることが出来ることにあります。
いわゆるシナジー効果を狙いとしています。
例えば、自社においては、知的財産権で保護された素晴らしい製品を持っている場合に、合弁を企図する側には、その国において広範な販売網を持つという場合が考えられます。
他方、販売店契約や、代理店契約でも上記のシナジー効果は望めます。
これらの販売店契約や、代理店契約も基本的には、企業の海外進出のツールになりますので、同じような機能を持つのはある意味当然のことなのです。
違いと言えば、その企業の海外進出を行うレベル又は段階の違いによると考えれらます。
合弁事業契約では、持株比率、派遣取締役の比率・人数、合弁子会社の運営方法、両親会社の子会社に対する貢献の役割分担、紛争が起きた際の解決手段、解約、持株の売却方法など、ありとあらゆる権利・義務の調整とトラブル解決を想定して、あらかじめ契約に規定を設けておくのが一般的です。
合弁事業契約では、株式の持ち株比率についてよく考える必要があります。
過半数を所持する場合には、会社の方針の重要な事項を決定することが出来ます。
・取締役の選任(election of board of directors)
・営業譲渡、重要資産の譲渡(transfer of important businesses or important assets)
・会社の解散(dissolution of the corporation)
また、同じ割合での出資をすると、重要事項の決定権が両者に帰属しませんので、誰も決定できない状態(デッドロック)におちいることがあります。
そこで、あらかじめ、デッドロックが起きては困る事項については、どちらに決定権があるかを規定するのも一つの方法です。