英文契約書の英語「one's discretion」をわかりやすく解説します

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「one's discretion」とは?

■「one's discretion」を契約書の文中に置くことで、一方当事者の「自由裁量により」決定できるということを表します。

これは、例えば、契約不適合責任で複数の対応(損害賠償、交換、返品、現実的履行、修理)が考えられる場合に、売主の裁量によりその対応を決定したいときに記載されます。

「one's」の部分は適宜文脈によって変更されます。

"at one's discretion/for one's convenience/at one's discretion/for one's convenience"は同じ内容を表します。

英文契約書では、当事者に種々の裁量が与えられます。

日本では、オプションという語句で表現されるときがあります。

one's discretionのメリット

この、one's discretion等の裁量に関する語句を入れることにより、ある事実が生じたときに、相手方はその事情に応じた適切な対応をとることが出来ます。

仮にone's discretionという語を入れていなければ、ある事実の発生により、自動的にその後の対応策が決まってしまうという不都合が生じることもあります。

◆英語の例文・書き方

①If any Products or any parts thereof are found not to meet the specifications, Manufacturer shall, at its discretion,repair such Products or any parts thereof or replace the same with other Products or parts to meet with the specifications.

② ABC may for its convenience immediately terminate this Agreement if any one of the following events occurs.

◆日本語例文・読み方

①製品またはその部品が仕様に適合しないことが、判明した場合、製造者は自由裁量によりその製品もしくはその部品を修理するか、または仕様に適合する他の製品もしくは部品と交換する。

②ABCは、以下に記載の事由が生じた場合、自由裁量により、本契約をた だちに解除することができる。

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