英文契約書の一般条項の第三者利益条項(No Third Party Rights)をわかりやすく解説します

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第三者利益条項(No Third Party Rights)の意義について

英文契約書も通常の契約書も、その内容は通常、その契約の当事者の利益のために締結するものと言えます。

ですが、契約の前提となる取引関係には様々な利害関係者が存在し、契約当事者との関係も遠い者から近い者が存在します。

その場合において、契約の当事者でない利害関係者である第三者が、突然、その契約書から生じる利益を享受することができるといって権利を行使すると主張してくる場合があります。

このような、第三者の権利主張を排除するために、該当の契約は第三者に利益や権利を与えるために契約を締結したわけではなく当事者の利益を目的に締結したと記載するのが、第三者利益条項(No Third Party Rights)であるといえます。

第三者利益条項(No Third Party Rights)の例

契約書の内容によっては、その契約から第三者が利益を受けるような内容と読める者も存在します。

株主が合弁事業会社や関係会社をサポートする計画を、契約書として書面化することがありますし、また、ある種のプロジェクトでは、ある地域の環境や産業、あるいは特定のグループに利益をもたらすという契約書が作成されることがあります。

また、金融機関が、そのような支援契約、プロジェクト契約に基づいて融資したのだという主張をすることもあります。

第三者利益条項(No Third Party Rights)の目的

しかし、上記のような規定を根拠に、その第三受益者的な立場から権利を主張されては、契約当事者の利益が害される恐れがあります。

そこで、契約の当事者ではない第三者は第三受益者的立場を取り消されても何の権利もないという趣旨を明確にするのが、本規定のねらいです。

実務上では、契約に無関係な第三者がその利益を主張してくることはしばしばあります。

◆英語の例文・書き方

This Agreementis intended to be solely forthe benefit ofthe parties and is notintended to confer any benefits upon or create any rights in favor of any person otherthan the parties hereto.

◆日本語例文・読み方

本契約は、契約当事者の利益とすることのみを意図しており、当事者以外の者に利益を付与し、またはその者のために権利を創出することを意図していない。

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