英文契約書の一般条項 Confidential(秘密保持)をわかりやすく解説します

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秘密保持条項の内容

◆契約に定められた義務を履行する場合に、相手方から様々な企業秘密を入手することがあります。

また、ある契約を締結する場合に、その契約上の義務を履行するうえで相手方の秘密情報が必要となることから、お互いの秘密情報を提供したり、、あるいは信頼関係に基づき相手方に秘密情報を提供したりし合う場合があります。

そのような情報開示の場合に、当該秘密情報が当事者以外の第三者に漏洩されれば相手方に不利益を及ぼす場合に、秘密保持条項を当該英文契約書に記載して秘密保持義務が課されることがあります。

例えば、ある製品を製造する場合に、相手企業の知的財産権や、文書、データ等の情報を必要とすることが多々あります。

これらの情報等は法律で保護されない場合があるが、経済的価値が非常に大きい場合があります。

そこで、これらを開示するときには、秘密保持に関する規定を設けることで、情報の適正な取り扱いを強制し、不正使用や、拡散、不正保持を防止する必要があります。

近年では、契約上で保護すべき価値として特に重要な規定といえるかもしれません。

◆秘密保持契約と約因の関係

一般条項として英文契約書中で記載される秘密保持条項では問題となりませんが、「秘密保持契約」いわゆるNDAでは、「約因」をどのように記載するか、どのように表現するかが重要な問題となります。

仮に、英米法を準拠法として秘密保持契約を締結する場合には、この「約因」の存在が裁判所に認められなければ、その秘密保持契約は法的保護の対象とならない恐れが生じます。

ですので、秘密保持契約を締結する場合には十分に注意が必要となります。

以下の秘密保持契約の解説に、「約因」についての解説を記載しておりますので、ご参考にしてください。

  • 英文契約書の秘密保持契約
  • ◆英語の例文・書き方

    The information, documents, data and / or materials provided by one party to the other party shall be utilized by the other party solely for the purpose of its responsibilities and obligations under this Agreement, and shall not be disclosed to a third party other than the parties hereto; provided however that such other party may disclose such information, documents, data and / or materials to a third party when required by law or judicial or other governmental proceedings to disclose them.

    ◆日本語例文・読み方

    一方当事者が他方当事者へ提供した情報,文書,データおよび資料 は,他方当事者が本契約に基づく責任および義務を履付するためにのみ 使用することとし、かつ,当該当事者は,かかる情報,文書,データも しくは資料を本契約当事者以外の第三者に対し開示してはならない。

    た だし当該他方当事者は,法律または司法もしくはその他の行政訴訟手 続により,当該情報,文書,データ,および資料の開示を要求されたと きは,第三者に対し開示することができる。

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