英文契約書での判例法(英米法)と大陸法(日本法)の相違をわかりやすく解説します

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英文契約書での判例法(英米法)と大陸法(日本法)の相違

英文契約書は、当然英語で書かれておりますので、アメリカやイギリスの契約書を起源とします。

英米法の特徴は、判例法という点に見ることが出来ます。

それに対して、国内での契約書は当然日本法を元に作られます。

そして、日本の法律は、大陸法を大本に作られています。

そこで、この両者には、適用される根本的思想から、差異があるといえます。

◆大陸法について

大陸法は、欧州で発展してきた法体系を言い、日本の法律は特にドイツ法の影響を受けています。

王政が敷かれていた欧州の各国では、議会、裁判所の権力は弱く、法は王から持たされるものでした。

これがいわゆる「成文法」(Statutes)と呼ばれるものです。

特徴としましては、精緻な構造を取り、公法、私法といった分類に基づき、緻密に作られておりますが、文言が全てになりますので、文言が予定していなかった事実に適用する際には、文言の解釈が必要となり、解釈によって運用が異なってくるという面があります。

◆英米法について

イギリスからの独立を果たしたアメリカでは、特に議会への不信がありましたので、事実が起きてから裁判所がそれに対処するという方法によりルールを蓄積するという、判例法が発展しました。

そのため、英米法には公法や私法という分類がなく、緻密な構造を持たない法体系となりました。

現在の英米法は「コモン・ロー」(Common Law)という古くからある法体系と、その後発達してきた「エクイティ」(Equity)という法体系の両者が合体したものといわれています。

コモン・ローは判例の蓄積といえ、エクイティはコモンローでは不都合が生じるときの(国王からの特別の)救済措置という側面があります。

ですので、コモン・ローは金銭賠償を原則とし、エクイティは履行の強制という例外となります。

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