英文契約書の「見出し」の効力を否定する条項(Headings)をわかりやすく解説します

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見出し(Headings)の重要性

英文契約書は膨大になる

英文契約書について普段触れる機会の少ない方は、この条項は少し不思議な条項に感じるかもしれません。

英文契約書を読んだことがある人は痛感するかと思いますが、英文契約書の内容は膨大な量となるのが通常といえます。

それは、主に米国での州と州との取引を「輸出」と呼ぶ程、州法が異なっていたために、法律に頼るのではなく、契約書に全ての取引内容や紛争解決条項を記載して紛争が生じないようにし、取引を円滑に進め、紛争が生じても契約書に従って解決できるようにした結果といえます。

現在でも、英文契約書は国際的な取引で作成されますので、国家間の法律の違いが存在しますので、上記の州と州の取引と同様、英文契約書において出来る限りの取引内容や紛争解決基準を記載しようとすると、どうしても膨大な量となってしまうのです。

見出しがあると読みやすい

そこで、各条項の先頭に「見出し」があると、英文契約書を読み慣れている人にとっては、その条項の内容を推測することが可能となり、膨大な量の英文契約書をある程度効率よく理解することに繋がります。

ですので、見出しといえども、やはり英文契約書の一内容としてとても重要な機能を持っているといえます。

見出しの法的効力

ここで、そもそも見出しに法的効力が認められのかが問題となりそうですが、英文契約書では、そこに記載されていることが全て契約の内容と考えられますので、見出しとはいえ、その効力を無碍に否定することはできません。

その場合に、条項の内容と見出しの内容が相反する場合には、紛争が生じる可能性があります。

ですので、本条項により、見出しの効力を明確に否定しておく必要があるのです。

◆英語の例文・書き方

All headings used in this Agreement are inserted for meaning or interpretation of this Agreement or any clause or provision herein.

◆日本語例文・読み方

本契約で他用されるすべての見出しは、便宜上挿入されているにすぎ ず,本契約または本契約の条項もしくは規定の意味または解釈に影響を 及ぼすことは意図されていない。

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